それから少し後、友人から連絡があった。

「一時十分のアレね、だんだんはっきりと見えてきたよー。
 少しずつ厚さが増してきてね、今では白い足袋になったん。
 そう、着物の時に足に履くやつ。
 足首から下だけが相変わらずトストスと歩いてる」

前から散々言ってるけどさ、直ぐにでも引っ越してそこ出ろよ。
手伝うからさ。よく知らないけど取り憑かれてからじゃ遅いぞ。

そう進言したところ、彼女の目が急に泳いで、遠くを見るような表情になる。
「んー、考えとく」とそれだけ口にして、別の話題を始めた。
別の場所で、姉にも引越しを進めてみたが、妹と似たような表情でかわされた。
あー、これはもう憑かれてるんかな…

ふとそう思ったが、所詮は他人だ。どうすることも出来ない。
オカルトっていうのは、実際どこにも相談する機関が無いのが厄介だと実感した。

何かあったら連絡くれ。それだけを念押ししておくのが関の山だった。