「なるほど、用があったのは上澄みの水でしたか。どんな効能があるのです?」

『これを畑に撒いてから作物を作るだろ。
 そうやって作られた物を食べると、○○邑出身の者だけが死ぬんだと。
 他の邑で生まれ育った者には、まったく何の効果も無いそうだ』

「 …それって本当でしょうか?」

『さあな。そう伝えられているだけだから、詳細は知らない。
 大体、○○邑ってのがどこにあるのかも皆目わからんし。
 どうかね、やっぱり金にはならんかね?』

確とした返答は出来なかったそうだ。

「もし書かれていたことが本当であるなら、恐ろしいことです。
 身体を構成する何らかの条件を狙い撃ちする薬効、そんなものが作れるという
 ことになりますから。ちょっと呪術めいてますけどね」

数年後、再訪した際にもう一度見せてほしいと頼んでみた。
しかし古書は既に売られていたのだという。

どこの誰が買っていったのかまではわからないそうだ。