友人の話。

彼の故郷の山では時々、冬になると不思議な光景が見られる。
雪が積もった林の中、何故か一ヶ所だけ、白で覆われていない場所がある。

近よってみると、大人数人が車座になって座れる程の黒い円が出来ている。
円の中は初めから積雪しなかった様子で、黒土が剥き出しだ。
手をやると仄かに暖かい。
そして必ず、快い酒の香りが立ち上っているという。

天狗が酒盛りをしていたんだ。
昔からそう言われているそうだ。