夜中、男たちが懐中電灯を片手に二人一組で見回りをしていると
林の中からカサカサ・・・という足音が聞こえてきました。

「盗人か!?」と慌てて音の聞こえる場所へ行くと
真っ暗な木立の間を、人の足だけが数本歩き回っていました。
ふくらはぎから上は透けていて、膝のあたりで完全に消えているのに
実体があるかのように、カサカサと足音は聞こえてくるのです。

さすがの荒くれ男たちも、待機所へ転げるように逃げ帰りました。

そんなことが何度かあり、すっかり怯えてしまった男たちは
揃ってAさんのところへ「辞めさせてくれ」と頭を下げに来たそうです。

そんなこんなで、誰も夜の見回りをしなくなったので
Aさんは自分自身で見回りに行ったのですが


話の通り、カサカサ・・・という足音が聞こえてきたので
慌てて逃げ帰ってしまい、それ以来、夜は山に近づこうとしませんでした。

それでも、その年は松茸を盗まれるようなことはなかったそうです。