私だけではありません。
突然の変化で、前を進む息子は恐怖におびえ
た顔を、間の抜けたスローモーション動作を示しながら振り返って見せ ているのです。第二歩を空中に躍らせた時、高い空を見上げました。空 は青色に決まっていますし、数秒前には間違いなく青だったはずなのに、 紫に変わっていました。
ただの紫ではありません。抜けるように濃くすき 通って眺められる紫の色でした。そんな馬鹿な話ってあるものですか、 そう感じました。次には、ふんわり降りる際に、地上に目をやったのです が、たった今まで苦闘したばら科植物と蔦が消えていて、砂地になって いるのです。
しかも、この地方で見る土砂でなくて、何時か九州の海岸 に遊んだ時に手につかんだ砂に似ています。まばゆく輝く水晶とも思わ れる石英がまじっているなあと思いました。山の中に海浜の波打ち際に 見られる砂があるとは、私は混乱してしまいました。
つづく