以前星が観たくてとある山に登った。夜の山道を車で走り抜け、山頂付近に到着。
そこは高原の様に開けた場所で、一角に大きな駐車場とレストハウスが合った。
時刻は午前1:30。照明の無い真っ暗な駐車場には何も停まって居らず
唯一の明かりは、シャッターが降りたレストハウス近くにある公衆電話のみ。
辺りは人の気配が全く感じられず、ほぼ完全な闇と静寂で満たされていた。
適当な場所に車を停めカメラを設置していると、レストハウスの一角にふっと明かりが灯った。
あれ、人が居たのか。閉鎖されていないし、立ち入り禁止でもはないから、大丈夫だよな?
等と思いつつ、作業を続行しているものの何の動きも見られないので、気にも留めずにいた。
普段はお目にかからない満天の夜空を堪能し、星の撮影をしている内に
何時しか明かりは消えていた。何も言われたわけでは無いが、気分は良くなかった。
その後、懐中電灯を頼りに山頂付近の散策をしていたが
いい加減寒くなってきたし、トイレにも行きたくなったので帰ることにした。
車に戻ろうとした際、ちょっと気になって明かりが灯った場所を懐中電灯で照らしてみた。
するとそこはトイレだった。
丁度催していたので中へ入ると、入った瞬間にトイレ内照明が点いた。
どうやら動体感知センサー式の自動照明のようだ。
用を足し終え、車に乗り込んだ所でふと気が付いた。
あのトイレは出入り口が一箇所、駐車場側にしか無かった。
レストハウスは、表側の見える場所は全てシャッターが降りていた。
裏側は、敷地外れの崖からレストハウスまで金網で閉鎖されている。
辺りは風の音すら聞こえないほどの静寂だ。
動物の類ではトイレの扉を開けることは出来ず、その痕跡は無い。
つまり、物音一つ立てずにトイレに入って出た人間が、レストハウスに居た…
いやそもそも、山頂のレストハウスで宿直とかするのだろうか…?
まあセンサーの誤作動だろう、と納得の付く解釈をして
そのまま山を下りた。