登山道を外れ、
好き放題に斜面をうろつき、小さな岩場でもあれば
よじ登る。
かつて、そんな遊びに俺達は夢中だった。

そんな頃。

葉が繁り、薄暗い斜面を行く。
空も周囲の山の様子も見えず、目印でも無ければ
帰りには迷いそうだった。
俺達は、ビニールテープで枝に目印を付けていた。

その日は谷間で飯を食い、遊び、帰ることになった。

帰途、目印のテープをたどりながら歩いていた俺達の
視界が不意に開けた。
立ち枯れ、真っ白に風化した木々が、斜面に何本も並ぶ。
視界が開けたのは、そのせいだ。
幹の白さが、よけいに視界を明るくしていた。
立ち枯れた斜面の幅は、100メートルほどか。
その向こうは、暗い森だ。
目印をたどっていて、こんな場所に出るはずが無い。

真っ白の幹だけになった木々の間を歩き、
反対側の茂みに入った。
目印のテープは、すぐに見つかった。
あの明るい斜面が、朝は森だったのだろうか。
あり得ないが、目印は数メートルおきに付けていた。

つづく