オヤジから聞いた話。
ウチのオヤジは東北出身で高校時代は山岳部に所属していた。
秋の山で合宿だーってことでテント担いで、山に入った。
2日間の合宿を無事終えて、下山することになった。
順調に下山していたが、途中から雨がふりだし寒くなってきたので急いで降りていた。
なんせ当時のザックやテントは水に濡れるとものすごく水をすって重くなる幌布製で、
重さも寒さもひどかった。
みな無言で下山していると、前方に人影が見える。歩いている様子はなく、たたずんでいる。
どうしたんだろうと近付いていくと、山に似つかわしくない服装の女の人だった。
秋とはいえ東北の山は寒く、夕闇もせまっていたので、心配になり声をかけた。
「どうかしましたか?」
「いえ・・・大丈夫です」
「一緒におりますか?」
「いえ・・・大丈夫ですから」
無気味さを感じた一行は気にしつつもそのまま下山した。
つづく