もう一度台所に戻った僕は、米櫃の前にしゃがむ老婆の姿を見てしまうのです。

コップのようなもので、左手に持った釜の中へお米を移しているようです。
彼女は何回かその作業を繰り返した後、右側にいた僕の方へゆっくりと顔を向けたのです。

彼女と目が合ってしまった僕がパニックに陥り、「ど、どうも・・・」と言った(間抜けな話ですが本当にそう言いました)途端、彼女はスッと消えてしまったのです。

何が何だか分からずに寝てしまいましたが、翌朝にも災難は続きます。

父親の怒鳴り声でとび起きた僕は、米櫃の前に散らばったお米(一升くらいあったと思います)を見て、急に恐くなった事を覚えています。
夜の出来事を真顔で説明するも、両親には信じて貰えず、ひどく叱られたと言う間抜けな話でした。