初雪の山は登ってはいけない、
そういう話しを仲間内でよく聞いたが、滑りやすくなるからだろうと思い
バカにしてた知り合いは命の危険に晒された。

彼は登山歴3年くらいの経験の少ないアマだったが勝気な性格で人に頼ったりする事が嫌いだ、
なんでも1人でするタイプだった。そのときも一人で冬山を登っていたが
初雪が降り始めていた、積もったのは数センチだったので彼は当初の計画通り登り続けた。

雪のせいで登山道が分かりづらくなった彼は慎重に登り始めたが不安になりだした。
道を探しながら歩いていると、足跡があることに気づいた。

彼は喜んで胸をなでおろした、「この道で間違いないんだ」またいい調子で歩き始めた。
だが、その足跡に気になる点があった、
靴の足跡ではない気がする、少なくとも登山ブーツではない。明らかに細すぎるし小さい。

そのまま足跡を頼りに登り始めた、周りの景色が少し違うなと3年の経験で感づき始めた。
登山道というより獣道に近く、岩もごろごろして雑林も増えてきて歩きづらくなってきた。

彼は、その足跡の不気味さも気にかかっていたので、引き返すことにした。

つづく