彼が山道をテクテク歩いていると、やはり山道を向こうの方から歩いてくる人影があります。しかも1人や2人ではなく、何人も居るようです。
しかも全員、月の光を反射させている。
「こんな夜に一体なんだ?それに、何で全員光ってるんだ…?」
広明さんは直感的に「ヤバイ」と思い、山道を逸れて茂みに隠れたそうです。
広明さんが茂みに身を潜めていると、その集団は更に山道を進んできて、やがて広明さんが隠れている場所まで達しました。怖いもの見たさ、というか好奇心から、彼は茂みの影から、そっと彼等を覗き見ました。
彼等の姿を見た時、広明さんは思わず声を上げそうになったそうです。
は全員、甲冑に身を包んでおり、その鎧が月の光を反射させていたのです。
明らかに、昭和の時代を生きている人々ではありませんでした。
彼等はかなりの人数であるにも関わらず、一言も話し声が聞こえません。聞こえるのは、歩く音と鎧がぶつかり合う音だけです。
中には明らかに身分の高そうな人も居たそうですが、その誰もが下を向き、顔の部分が影になっていて一切見えません。
そうした人々が、何十人、何百人と山道を歩いているのです。一体彼等は何であるのか、どこから来て、これから何処へ行くのか…。
つづく