先輩(広明さんとします)から聞いた話(戦前の出来事)をしますね。

この方は、秋田県山間部(具体的には盆地)の出身です。
広明さんが生まれたのは戦前ですが、その頃の子供達は皆、山や川に行って仕掛け針で魚を獲ったり罠で獣を捕まえて毛皮を得ていたそうなんですね。

広明さんは特にそうした事にかけては子供の頃から達人で「鶏をシメるだろ、その後シメた鶏の首を使って狐やイタチを獲る。その皮を剥いで売る。捨てるところなんて無いんだ。今の時代、そういうのは残酷だって言う人も居るけど、それは豊かになった時代の連中が言う事だ。
昔の人達は、みんな貧乏だけど一生懸命に生きてた。昔の日本に住んでたら、残酷、なんて言ってられない」という言葉が印象に残ってます。

さて、そんな彼がある日の夜、山間部を流れる川に魚を獲りに行ったそうです。山は真っ暗でしたが広明さんは慣れたもので、月明かりを頼りに、いつもの場所に向かってました。

つづく