登山者の話

山奥で道に迷い、夜露をしのげる場所を探して歩き回る羽目になった。

手ごろな洞穴を見つけ、やれ、うれしや、と中に入ったが、
そこにあったのは、ボロ布をしきつめた寝床らしき跡。

その上には、泥のこびり付いた小さな茶碗と、黴の生えたコケシ。

(こんな山奥に、子供がいた跡・・・??)

やむをえず傍らで仮眠をとろうとしたが、不気味すぎて朝まで一睡もできなかったという。