それを話すとクラブのリーダーに、
「こういっては何だけど、もう一度その泥をみてみると拍子抜けすると思うよ。」
っていう感じのことを言われたし

それに撮影用の強力なライトもあるし部屋とかと変わらないくらい明るいので不安もまた薄れ、入ることにした。それに外でひとりで待つのも嫌ではあった。

 中に入るとライトのおかげもあり、隅々まで照らされて1年前とはだいぶ雰囲気が違うように見えた。あの時見た感じとは違い道はあまり分岐してないし、地面の岩もそれほど多くなかった。

そして、意外と道は上下左右にうねっている。
10人で進むと時間はかかったが30分ほどで例の突き当たりに着いた。
俺はあの時の穴を見上げた。
クラブの一人が頭から中に突っ込むと、すぐ後ろ向きに出てきた。

ホールから先は確かに鍾乳洞で、入り口はホールの床まで4m近くあって、はしごを張らなければホールには下りられないらしい。ワイヤーの縄はしごを張ってみんなは次々と穴に入っていった。

俺も意を決して穴を覗き込んだ。
あの人型の泥がなかった。

泥があったはずの場所はやはり石筍が立ってなかった、それどころか石筍はこのホールの入り口に向かう道を作るように折れている。

俺は穴から出て後続の人にお願いして、もう出たいと言い洞窟から一緒にでてもらった。
一緒に出てくれた人には、おそらく過去に何回か人が入って石筍が折られたりホール内部も荒れてるのかもしれないと言っていたけど、俺はそうは思えなかった。

理屈では確かに、ミズナラの木を切った人はあの洞窟を見つけていると思うしその人が何度かその洞窟に入っていたとしても不思議ではない。

で、最近なんだけどそのクラブの人から連絡があった。
俺が最初入った時目印にしてた山菜の本の切れ端がいくつも見つかったとのこと。
全部洞窟のホールの奥に束で置いてあったんだとさ

つづく