洞窟クラブの人はその後何度か探索に行ったようだが、俺が教えたその周辺を何度探しても洞窟は見つからなかった。

その人たちが探しに行く前には電話があって何度も場所を確認されたし、見つけられず帰ってきてから何回かうちに来て本当にその場所かどうか思い出してくれと言いにきたし、ついてきてくれとも言われた。

彼らにしてみたら鍾乳洞の新発見は相当大きなことなんだろうとは思ったが、やっぱ俺はそこに行きたくなかった。

 そんで去年、どうしても見つけられないし、俺が幻覚を見ていたんじゃないかって話にも発展していた。

正直俺ですらその可能性はあると思っていたし、あのときの恐怖も少しずつ薄らいできていたので、もう一度自分が見たものを確認しておきたかったというのもあって、洞窟クラブの誘いに乗った。

 話を受けその週末、山に入り探索を始めると何でそのクラブの人たちが洞窟を見つけられないのかわかった。

彼らは全く山の素人で地形図を読めず、ぜんぜん違う場所の獣道に入って探索していた。

俺はあの時通った尾根を案内すると、2時間ほどの捜索でミズナラの倒木と、問題の洞窟が見つかった。笹薮は前よりも茂っていたけど、風景がフラッシュバックしてくるように思い出してちょっと怖くなった。

 総勢10人のクラブの人たちは洞窟前で黙々と準備を始めたが、俺は洞窟を目の前にするとあまり入りたい気持ちにはならなかった。いくら偶然だとは言われてもあの人型の泥は俺にとってリアルすぎたし、口では説明できない異様な雰囲気をあの時確かに感じていた。

つづく