成り行き上、俺がリーダーになってしまった。
そして、顧問の実家が大雨による土砂崩れで半壊した。
顧問は帰郷し、どうやら合宿には不参加になりそうだった。
ある日の練習中、俺は骨盤の右端に痛みを感じた。
左右に開いた骨盤の、その最も前に出ている部分にそれまで感じたことのない痛みが走り、そのまま居座った。
レントゲン撮影の結果、骨盤の右端が小さく割れているのが分かった。
剥離骨折のようなもので、ごく稀に筋肉の動きとの関連でこうした現象が起こるのだと、医師は俺に説明した。
しばらく間、登山もトレーニングも禁止された。
結局、春山合宿は中止された。
顧問は、山が拒んだのだと気弱に言った。
俺は、行きたくないという皆の気持ちが、俺達3人に作用したのかもしれないと思った。
前年の悪天候にも、何か意味があったのだと後輩は言い合っていた。
その後も母校の山岳部では、その山へは行っていない。