誰かの手に髪をつかまれ、頭が乱暴に引き上げられた。

口に、鼻に、空気が流れ込み、胸を満たした。

再び顔が水に潜り、空気を吸った鼻に水が流れ込んだ。
またかよ、と短い間に絶望が広がった。

足首が捻られ、掴まれ、さらに強く引かれた。

瞬間、水が遠ざかり、身体が軽くなる。

全身に衝撃を感じ、目を開くと川原に転がっていた。

そして、手はどこにも無い。
無論、誰も居ない。
川は激しい音を立てて流れていた。