覆い被さる小枝を避けながら上り詰めてみると、そこにはのびきった雑草に囲まれて、朽ちかけて傾いた古い祠が建っていました。

神社かと思いましたが鳥居がありません。そばの太い丸太杭にかなり大きな筆文字で「畜生魂」とだけ書かれていました。

かなり異様な雰囲気でしたが、すでに日没を迎えあたりはすっかり暗くなっていたので、祠の前の小さな境内を幕営地とし、草を踏みならし
てテント設営を行いました。

その日はまったく風が無くて、周囲は静まりかえり、当然照明も無いので、私たちは深い闇に囲まれていました。
テントを張り終わり、食事の準備を始めたのですが、部員達がいつもより無口なのが気になりました。おそらく、皆疲労が溜まって気持ちが沈ん
でいるのだろうと思い、私は努めて快活に部員へ話しかけていました。

その時です!

「ドンドンドンドン」

と、不意に不気味な音がすぐ近く、祠の方向から鳴り響きました。かなり大きな音で、太鼓を連打する音のように聞こえました。
私たちはびっくりし、動作が凍り付きました。皆目を見開いてお互いを見つめています。
N君がやっと口を開きました。
部員(N君):「部長聞こえましたか?」
私:「うん、聞こえた」
部員(N君):「そこの祠から太鼓の音が聞こえましたよ・・・」声が震えています。

つづく