人を喰う山うちの近所の山は人を喰う。 一度山に呼ばれる夢を見たらマズイらしく、寝るたびに聞こえる呼声に悩まされるようになる。 日に日に自分を呼ぶ声が近くなり、始め囁き声だったのが怒鳴り声に変わる頃には人格が壊されてしまうようだ。 家族の目を盗んでは一人で山に向かうようになる。そこで家族が見失うと二度と家には帰らないらしい。 紙を人の形に切り取り、赤色で口だけを書きこむ。 酒を盛ったコップに作った人形を添えて山のふもとに置いておくと呼び声が消えると言い伝えられている。