後輩の話。

彼女が幼い頃、実家の裏山で一人遊んでいた時のこと。
うっかり躓いてしまい、そのまま顔面から地面に倒れ込んでしまった。

その刹那、落ちる頭の真上で「ぶんっ」と音がして風が巻く。
まるで何か重たい物体が、頭があった空間を薙いだかのように。

地面で強かに顔を打ち、息の止まった彼女の耳に。
誰かが「チッ!」と舌打ちする声が聞こえた。

慌てて起き上がったが、辺りには人っ子一人いなかった。
堪らなく怖くなった彼女は、泣きじゃくりながら山を転がり下りたのだという。