地図に引いた直線に沿って歩き、這い、時に肝を冷やす。
かつて、そんな遊びに夢中だった。

ある時、がさがさと藪が揺れ、藪を揺らしながら、
音が斜面を遠ざかった。
それほど遠くない斜面を、カモシカがゆっくり離れていく。
藪が揺れていたのとは違う方角だ。
近くを獣道が通っているのかもしれない。

壁のように立ち上がった斜面を、苦労して登ると、
広さにして4畳半ほどの平らな地面があった。
地面には小さな鳥や、トカゲの死骸。
餌場だろうか。
ならば俺もとザックをおろし、水を飲み、少しばかりの
食い物を口にした。

見ると魚もあり、周辺では見られない木の実がある。
地面を広く覆っているのは、このあたりでは珍しい
大きな木の葉だ。
頭上、木の枝が大きな音を立てた。
猿だ。
片手に大きなサツマイモを抱え、激しく枝を揺らす。
どこかの畑で掘って来たのだろう。