珍しく日が高いうちに帰ってきた日のこと。
エレベーターを降りて、自分の部屋へ向かっていると、先の曲がり角に何か見えた。
髪が長い女性の頭だけが、ヒョコンと突き出されてこちらを見ている。
一目見て目を逸らした。真っ当なモノじゃないと判断したから。
「だって、顔が突き出ている高さは、ほぼ天井と同じくらいなんだもの。
一体身長がどれほどあるっていうのよー。
おまけに、嫌になるくらいに無表情だったし」
目を向けないようにして、自分の部屋に何とか入った。
その後も度々見かけらしいが、無視し続けたのだそうだ。
つづく