幸い、子供はすやすやと寝ていましたが、もう自分のベッドに戻る気もしないので、
そのまま添い寝をしようと寝ころんだ瞬間、二回目の金縛りにあい、光の中から再び彼が
目の前に現れました。

彼は言いました。
『山に登る人間が、山で死ねば本望だというのは嘘だ。自分は早く日本に帰りたかったんだ。』
突然電話のベルが鳴り、私は正気に戻りました。
隣では家内の顔が恐怖でひきつっています。
電話をとると…やはり無言電話でした。

そして三回目の金縛りにあい、今度は彼は言いました。
『いろいろ迷惑をかけてすまないけど、僕(俺でなくて僕と言いました)は本当は悪い
人間じゃないんだ』
金縛りが解けて、私は家内に言いました。

悪い人じゃないって言っているよ…
言った瞬間、ビシビシビシと部屋中から家鳴りがして、家鳴りは朝まで続き、ほとんど
眠れないまま家族で夜を明かしました。
翌朝になって、ホテルのフロント頼んで車の修理業者を呼んで貰いました。一応念のため
フロントに確認しましたが、やはり誰も私の部屋に電話しなかったということでした。

昼近くになっても車は直りません。その日は午後にも出発し次の目的地の海岸に行く予定で
したので、修理業者に確認すると、故障している理由が判らないといいます。
ようやく夕方になって修理業者から電話があり、車の鍵穴が壊れていてスターターが回りっぱなし
になり焼き切れている、何か無理なことはしたのか?、部品を取り寄せるから修理には2日かかる ということでした。
ホテルの方は、なぜだか私の次に同じ部屋に泊まる客が体調不良でキャンセルになったとのことで、
再び同じ部屋に泊まることになりました。

つづく