廃村かと思っていた顧問はガッカリして、とりあえず散策するかと思い。村を歩いてみたそうです。そうすると、「変だな」と思いはじめました。

村に人がいないのです。生活感はそこら中にあったですが、誰にも会わなかったそうです。その日は日曜日なのに出歩いている人がいません。

「村を一望できるところに行ったら人が見えるかもしれない。」
と思った顧問は地図に載っていた高台にある神社に行くことにしました。

その神社は村から少し離れた高台にあり、村を観察するには丁度いい場所にあったそうです。石段を登り、境内に着くと女の子がいたそうです。
「やっと村人に会えた。」そう思った顧問は女の子に話しかけようとすると先に女の子が話しかけてきました。「おまえ、外の人間か?」

お前、と呼ばれたことに少し戸惑ったそうですが、「そうだよ、町からこの村に来たんだ。ここは人がすんでいるの?」と聞くと「いいや、ここは廃村だ。だから、すぐ帰れ。昼になると大人が帰ってくる。そうしたら、お前はここから帰れなくなる。」

「どういう意味?」と顧問は尋ねたそうですが、女の子は首を振って「いいから、帰れ。お宮の裏の道を行けば帰れる。早く帰れ。」
とにかく帰れ、と真剣な顔で言われ、顧問はその女の子の言う道を使い村から出たそうです。
「変な子供だなあ。」と思いながら歩いていると
いつのまにか元の道に戻り、そのまま出発した麓まで戻ってきたそうです。
後日、その村について調べてみたそうですが、昭和の半ばに過疎化により廃村になり、以後、そのままと言うことがわかったそうです。
そんな事があっても顧問は廃村巡りを止めませんでした。

その話を聞いた後、私は「そんな事があったのに、止めないんですか?」
と聞くと「山中異界って言うじゃろう?どこの山も不思議なことはあるんだ」
といいました。