10年ほど前。旦那と二人である山に登った時のこと。

私達は 全く初心者。日帰り登山なのにすごい荷物になった。
登山道はあまり整備されてなくて 慣れない私はとてももたついてしまい頂上に着いたのも予定時刻よりかなり遅れてしまった。

下山途中 ガスってきて ますます足取りが遅くなってしまった。
だんだん陽も落ちてきて 焦っていた時、前方の深いヤブの中で ガサガサと大きな音がした!明らかに人間ではなさそうな気配に震えた。

それでも二人で必死に下山し続けたが、途中で道がわからなくなってしまった。
どうしよう?と迷っていたら 他にも大学生5~6人のグループも同じところで迷っていた。その時 旦那が思い出したようにリュックの中からヘッドライトを取り出した。そうだった、と私もヘッドライトを装着して道を探した。

みるみる辺りは暗闇になり ライトを持っていなかった学生達は私達といっしょに下山することになった。いっしょに道を探しながら さっきのヤブの音を思い出し君達だったの?ときくと そんなヤブには入ってないと言う。
狸でもいたんだろうと話つつ やっと下山できてホッとした。
ヘッドライトがなかったら大変だったね、といいつつ帰途についたのだが。
それから10日後。その山で5人の男性が遭難したと報道された。

天候の急変が原因だったが、後日彼らの遺体が獣に食い荒らされてバラバラで発見されたと知って 震え上がった。
私達は 知らなかった。その山は クマが出ることを。
ヘッドライトがなかったら 自分がバラバラになったかもと思うと眠れませんでした。