しばらく急カーブの連続に揺られていると、道を歩いていた男を追い越すことに気づいて何気なく振り向きました。
「?」
なんとなく先ほどの男のような気がしました。 しかし、もう何分も前に降ろした人間が山道とはいえバスを追い抜けるわけがありません。
それでも気になったので良く見ようとしましたが、そのときには次のカーブに入っており姿は見えなくなっていました。
(多分気のせいだろう。山仕事の作業着なんてどれも似たようなものじゃないか)
友人たちは特に気にする様子も無く話を続けていたので、そのときはすぐに気にしないことにしました。
また何分か過ぎたころ、再び歩いている男を追い越すことに気づきました。
先ほどのこともあり意識してその男を見ていると、今度の男はバスが通過するときに足を止めてこちらを見ています。
(今度の男も同じような服装だな・・・)
男の顔が近づいてきたとき私はあることに気づきました。 顔の位置からして背の大きな男であることに。
友人たちは私の様子から外の男に気づいたようで、なんとなく注目しているようでした。
「あの人、さっき降りた・・・?」
友人の一人がつぶやきます。
他の友人がそんなことあるわけが無いと言い、それもそうかとつぶやいています。
しかし、私のほうはもうそれどころではありませんでした。
服装も背丈も同じような人間に山の中で3人も連続で出会うものだろうか? おまけに最初の男も今の男もメガネをかけていた。
仮に同じ人間だとするとなぜバスで次々と追い越すのだ? いや、そもそも人間なのだろうか・・・。 つづく