九州のある山村に若者がいた。ある夜、若者は峠ひとつ向こうの隣村の親類宅へと向かうため、うねうねと曲がりくねった山の一本道を、提灯片手にひたひたと歩いていた。

遠くにポッ、と灯りが見えた。向こうからも誰かが歩いて来ているらしい。
やがて、道は曲がり角に差し掛かり、灯りは一旦見えなくなった。角を曲がり終えると、また灯りが見えた。灯りは二つに増えていた。途中で合流した人がいるのだろうか。

道は再び曲がり角に差し掛かり、灯りはまた見えなくなった。角を曲がり終えると、また灯りが見えた。灯りは四つに増えていた。途中で合流…?
いや、おかしい。ここは一本道である。途中で合流出来る道など無い。
もし、自分が知らない抜け道があったとしても、こんな短い間に三人も合流する事などあろうか?

そんな考えが頭に浮かび、にわかに恐怖心が芽生えたものの、足を止めるまでには至らなかった。
道は三度曲がり角に差し掛かり、灯りはまたまた見えなくなった。角を曲がり終えると…
つづく