夏休みに入り、お転婆娘のSちゃんは毎日のように、友達といっしょに山で遊んでいた。
中には知らない子もいた。夏休み中にこっちの祖父母の家に帰省してきた子だ。
そんな子たちとも、分け隔てなく仲良く遊んだ。
ある日、里山にクワガタ獲りに行ったが、なかなか獲れなかったので、あきらめて、かくれんぼをして遊ぶ事になった。
山の中とは言え、近くには墓場や納屋があり、隠れる場所には困らなかった。
この時は五人ほどで遊んでいたのだが、いつの間にか、青い浴衣姿の男の子が加わっていた。
初めて見る子だったが、特に気にせず仲間に入れてあげた。
「も~ い~ かいっ?」鬼が問う。「「ま~ だ だよっ!」」一同が答える。
Sちゃんは墓場横の雑木林を隠れ場所に選んだ。周囲には不法投棄のゴミが散乱している。
空き缶や紙クズだけでなく、古いラジカセ・テレビ・エアコン… そんな物まで捨ててある。
困った人もいるもんだ、と思っていると、そこへ例の浴衣の子が来た。
浴衣の子は、捨ててある冷蔵庫のドアを開き、中へと入った。
そして、こちらを見て「にこっ」と微笑むと、ドアをぱたんと閉めた。
「そこなら見つからんね。」と、Sちゃんは小さな声でささやいた。
しばらく鬼の奮闘が続き、とうとうSちゃんも見つかってしまった。
残りは、あの浴衣の男の子だけだ。Sちゃんは冷蔵庫の方へ視線を向けないように気をつけながら、焦る鬼役の子を見て、にやにやしていた。 つづく