その一言で、Aがあの女と寝たことはT祖父にも解ったという。
それからAやAと懇意なBが遅く帰ってくるようになった。

『お前は行くな。手足をなくすぞ』

職長はT祖父に信じられないことを言ったが、どちらにせよ、
あんな女を抱こうとは思えなかった。仕事が終了した日、Aは
山に残りたいと言った。さすがにそれは許されなかったが、町に
下りるなり踵を返して山に戻るAを止められる者はいなかった。

その後のAを知る者はない。次の仕事にはAもBも来なかった。
Aは行方知れず、Bは手足を失う大事故にあったのだという。