歩荷、ボッカと読む。
行商の婆さんさながらに、
高々と積み上げた荷物を背負い、
山小屋などへ荷揚げを行う。
今でも、限られた山域で見ることができる。
天候は、雨。
この山が晴れていたことなど、あったろうか。
雨に濡れ、雨音を聞くのは毎度のことだ。
もしも晴れなら、と思うのも毎度のことだ。
毎度のことでないのは、歩荷だ。
ここで見るのは初めてだった。
どこへ荷揚げしているのだろう?
積み上がった段ボールの形そのまま、
四角い後姿を眺めた。
むき出しの段ボールには、染みひとつない。
やがて俺は、小休止。
歩荷の後姿は、雨の中へ消えた。
あいつ、どんな天気の中を歩いているのだろう。