ネットで山登りのオフがあり、俺も参加していた。
5人のメンバーで、オフラインではみんな初めて会う奴ばかりだった。
その中の1人は、見るからに根暗そうな奴。まったく喋らない。
でも、礼儀正しいので、普通に仲良くやっていた。
代表の奴がワゴン持ってて、それに乗って移動。程なく山に到着。


だんだんと打ち解けて歩いていると、途中で根暗の奴がはぐれた。
みんなで探すことになり、俺は面倒だと思いながら歩いていた。
そいつの名前を呼んで探していると、少し離れたところで声がする。
その声は、「助けてぇー○○(俺達のハンドル)助けてぇー」という情けない声だった。


歩いていくと藪の中にそいつがいて、俺に背を向けて襟元を正していた。
どうした、と声をかけると、そいつの足元には何か動物の骨。
ははぁ、こいつはコレを見てビビッたのか、と納得しかけたが、
「心配かけてごめん」と言いながら拭う口元が真っ赤になっているのを見てしまった。


そいつは俺の視線に気付くと、ニタリと笑って「どうか……した?」と笑う。
怖くなって、そのまま知らん振りしてみんなの所に戻った。


帰りのワゴンの中は奇妙な雰囲気だった。
そいつは、自分のハンドルネームを覚えておらず、このオフも忘れている。
生臭い匂いも漂ってくる。
さらに、そいつ自身は来た時の根暗と違って、「人が変わったように」明るい。
俺は別の人から「そいつ、何? 大丈夫?」とそっと聞かれた。


見つけたときの変な様子をありのまま耳打ちしようとしたら、
窓に映った室内で、根暗が俺を凝視していた。
目が合うと、ニタリと笑った。なんだか怖くなって、俺は「別に」と返した。