木の幹が、光っている。
不思議な色がにじむように光り、近付くにつれて
それが蝶の群れだということが分かった。
蝶の生態は詳しく知らないが、産卵や移動のために
時に大群を形成することは知っている。
珍しいものを目にした喜びを感じ、気持ちが高ぶった。
大きな蝶だった。


間近まで寄ったとき、蝶に刺されたピンが光った。
全ての蝶が、ピンで止められていた。
足首くらいの高さから、3メートルほどの高さまで、
蝶がびっしり貼り付いていた。
近所に変わり者の芸術家でも住んでいるのだろうか。
俺にとっては、気持ち悪さが先に立つ光景だった。
その先へ進むと、木の杭が山積みになっていた。


登山道や山林の整備用資材に違いなかったが、なぜか
巨大なピンに思えた。