ちょっとしたハイキングコースのルートを外れ、湿った斜面を
ゆるゆると歩いていていくと、岩をくりぬいた窪みに、人形が並んでいる。
かなり前に見つけた人形で、高さは20センチ以上あり、作りは雛人形だが、
その頬はこけ、肌は茶色く、手の甲など、干からびているように見える。
目は半開きで、干からびたように後退した唇からのぞく歯は、黄色い。
それがちょこんと二体、並んでいる。
何に似ているといって、即身仏に似ている。
耐久性や手入れなど、どうなっているのか分からないが、ともかく
そこに、ずっとある。
不気味で仕方ないが、近くへ行くと、つい覗いてみたくなる。
何回目かの訪問で、周辺の草の中に三体の人形と小さな食膳を見つけた。
それらの人形は倒れ、汚れにまみれているが、肌は白く、
頬はふっくらしているように見えた。
食膳と対になっていて、膳の上には、食事が固定されていた。
その後、食膳と対になった人形を見かけることは無かったが、
その場所を知る知人によれば、つい最近、汚れきった人形が三体、
食膳を前に座っているのを見つけ、ぞっとしたという。
それらの人形は、やせこけ、腹がぷっくりと膨らんだ餓鬼の姿を
しており、食膳の椀や鉢、皿はすっかり空っぽなのだという。
何かの儀式なのか、あるいは趣味やパフォーマンスなのか。
個人的には、うずうずとその人形を見たくなってきている。