川の瀬、水が光を発し、不意に激しい光を放ちつつ、しっかり張った
膜のような表面が伸び、縮み、揺れている。
せり出した木の枝に、小さな、青い可愛らしい奴がちょこんと
乗っている。
平たい頭の、鮮やかな青の鳥。
水の中、何を見ているのか、そのカワセミはじっと動かない。
この鳥を見かける機会は、そう多くない。
いや、むしろ少ない。
むやみに近付いて、もし気付かれたら、きっと逃げてしまう。
上からの木漏れ日と、下からの乱反射に包まれるように照らされ、
揺らぐように色を変えているカワセミは、やはり美しい。
ハイビジョンだろうと何だろうと、断然実物にはかなわない。
一瞬、宙に浮いただろうか。
カワセミは凄まじい速さで水面を目指す。
生存をかけた作業を、カワセミが突如として始めたのだ。
その先
記憶はスローモーションだ。
揺れる水面が、ぱっくりと口を開いた。
それまで水と密着し、水を通して光と接していた川底の石ころが、
空気と触れ合い、光を直接浴びた。
そこへ、フルスピードのカワセミが垂直に激突した。
水の口が閉じ、水の中、カワセミは見えない。
走り出し、青い姿を探した。
飛び込んだ位置から、ほんの少し下流。
カワセミがぐったりして、水中の何かに引っかかっていた。
つまみ上げ、ずぶ濡れのそれを岩の上に置いた。
すでに、ぴくりともしない。
川の瀬、水は光り、しっかりした膜のような、柔らかな水面は変わらない。
わずか数秒だろうか。
あの躍動感を思った。
きらめく青を想った。