親父の知り合いに聞いた話。
山道を歩いていた時のこと。
前方の路肩に子供がしゃがみ込んで地面をじっと見つめているのが見えた。
追い越しざま、子供の肩ごしに覗き込んでみる。
巨大なヒルがミミズを襲い貪り食っている光景が目に飛び込んできた。



生理的な嫌悪感に顔を背けようとすると、いきなり子供が振り返った。



「もうすぐ、お前もこうなるんだ」
野太い声。その顔は皺くちゃの老人のそれだった。
気味が悪くなって山道を引き返した。
あれから十年暮らしている。