少年は森で奇妙な枝を拾った。
黒光りして、トゲトゲして、ちょっとカッコいい。
彼は枝を剣にみたて、茂みをばっさばっさ払いながら小道を歩いていた。
ぽきっ
枝が折れ曲がった。
彼はがっかりして、ふと気付いた。


折れ目から、粘液が垂れている。
黒光りするながい柄の先に、いくつもの鋭い棘、
さらに、その先には、ふたつの黒い・・・ツメ。
巨大な昆虫の足を握っている事に気付いた彼は、
びっくりして放り出し、わんわん泣きながら家に帰った。
ゴキブリだったら、犬くらいだろう。
大人になった彼は、そう話した。