<言葉>


   先の論考が、非線形で非対称な言葉を含む行為 (作用) の

   全体を現す流動性 (発散/発振)、その変容形態だとすれば、

   此処に今ひとつ、線形的で定型的な因果律に従った、習熟的で

   習慣的な、紋切り型の 「言葉の世界」 が見出される。


   言わば、言葉の世界を定立化し実体化し実相化した世界観、

   「言語ゲーム世界」 の現成である。


   このような言葉の二重化、重層化はどのようにして起こるのだろう。

   単に行為的な作用の発振であり伝報や伝達の一手段に過ぎないものが、

   さも実体的に作用し、あたかも実在するかのように振舞われ、

   使役され行使されるとは、いったい如何なる理由に依るのか。