<南アW杯・サッカー観戦記>


   ポルトガルの首都リスボンが大量ゴールの勝利に沸き返っている頃、

   わたしは、まったく個人的な理由からグループリーグH の今一つの試合、

   <チリvs.スイス> 戦を注目していた。


   太平洋を挟んで、南北に向き合う海岸線の長い海洋国家でありながら、

   常に大規模地震の恐怖に晒されながら暮らす南米の小国家 「チリ」 の、

   洗練された攻撃的スタイルに魅了され、必要以上の興味とシンパシーを

   感じたからに他ならない。


   それは 「同情」 という意味ではなく、むしろ、「共感」 に近いものであり、

   居並ぶサッカー大国の中に在って、恵まれぬフィジカルとサッカー後進性という

   同様のコンプレックスを抱えながら、自国サッカーのスタイルと将来性を模索する

   格好の対象と見えたからである。


   ちなみに、この試合はチリがスイスに 1-0 で勝ったのであるが、

   最後まで攻撃に徹するチリと、専守防衛に徹するスイスとの、

   白熱する熱い戦いであったことは言うまでもない。