<俄か大工>


   夜半から未明にかけて強い風が吹いた。

   先日の18号台風だ。

   おかげで下屋の波板が数枚吹っ飛んだ。

   近所ではテレビアンテナも倒れている。


   さっそく手頃な大工を探したがいない。

   スーツ姿の営業マンのいる工務店か、

   そのようなところに就業している

   サラリーマン大工ばかりだ。


   聞けば、全部取り替えろと言う。

   仕方がないので、自分で直すことにした。

   午前中に寸法をはかり、近くのホームセンターで

   垂木と桟木と波板を数枚手に入れた。


   午後から俄か大工だ。

   そんなに器用な方ではないが、

   やれば、結構面白い。

 
   三時頃には、一通りやり終えた。

   女房殿の目の色がいつもと違う。

   感心しきりだ。 

   (ちょっと得意げ!)


   それにしても便利なようで

   不便な世の中になったものだ。

   “ちょっと” の融通が利かない。