<天地神明>


   この世には、

   して良いことと悪いことがあるように、

   言って良いことと言っちゃいけないことがあるようだ。

   
   とくに、ある限界を超えた事象の言説には特段の注意が必要だ。

   例えば、核子形成力とも言える強い力の秘密を解き明かすことは、

   <あってはならないこと> のひとつだったし、

   <もっともしてはならないこと> のひとつだったのだ。

   
   それが不吉な呪文のように人類に多大な不幸の影をもたらすのか、

   それとも多大な僥倖をもたらすかは、過去の歴史が証明しているし、

   その判断は、ひとえに我々一人一人の叡智に掛っていたのだから。

 
   後立つ後悔は、一瞬の閃光とともに後悔のしようのない血の海となって、

   我々人類に拭い切れぬ禍根を残すこととなったのだから。

   我々は、もはや、開けてはならぬ 「パンドラの箱」 を

   開けてしまったのかも知れない。