<十字街頭の破草鞋>
まるで常世の国である龍宮城から帰還した浦島太郎のように、
「現にそうである自分」 に帰ってきた。
すっかり頭髪も白くなった愚かで醜悪で脆弱なそんな自分にである。
妙に居心地がいい。 そんな自分が妙にいとおしいのである。
自己認知のなれの果て、正直な自分でいられる安心感、
自己矛盾も自己葛藤も自己分裂もない、
嫌いなき 「自己一枚」 の安堵感である。
ありのままの有りつぶれ、とでも言うのだろうか、
現にそうであり、それ以外の何ものでもないワタシなのである。
* * *
断っておくが、これはヘタレでもクサレでもない。
「どっこい生きている」 と言うやつ、煩悩即菩提の端的だ。
求めるに求めるものなく、除くに除くものなし、だ。
およそ、モラルや道義とは関係ない、
強いて言えば、自性の認知、自性の是認だ!