<老いの坂>

   
   もはや若くはない、

   老後を迎えて最後の試練とも言える

   四苦 (生老病死) の峠に差し掛かっている。

   その時になって見なければ分らない事柄の一つに、

   老いと病と死とがある。

   黙ってこれらの現実を受け入れながら、

   いつも通りに暮らしていけるだろうか。

   何一つ特別なことのない当たり前の事態として、

   これら四苦と共に共存し共生しながら、

   にこやかにやって行けるだろうか。


   ことさらに取り上げ、

   取り立てて騒ぐこともなく、

   塞ぐことも苛立つこともなく、

   平然と自明に正受できるだろうか。

   これを 「唯々諾々」 と言うのなら、

   いったい他に、これらを回避できる

   どんな生き方があると言うのだろう。

   現前する 「生・老・病・死」 を前にして ・ ・ ・


   此処には最早、嫌うべき何ものもなく避けるべき何ものもない。