これが <アガペー> なのか、 <エロス> なのかと、

   したり顔で問わぬ方がよい。


   何故なら、

   これを問わなきゃならないところに ≪聖と俗≫、

   染汚と清浄、浄穢二境の対立と葛藤があり、

   いまだ、愛を知らぬ者の愛と苦悩があるのだから。



          *          *          *



   愛を知るものは、<これが愛だ> などと、

   今更ながら、愛を意識することはないし、

   愛を知らぬものは、愛を知らないのだから、

   これが愛かどうかなど、思案の外だ。


   ≪そのなかにいるものはそれを知らない≫


   ――――  雪中の白鷺、闇夜のカラス。