≪天命を知る≫

   
   天命を知ることを <明徳を明らめる> と言います。

   いわゆる、人の知徳円満なるを明らめるのであり、

   知と行の明分を明らかにするのです。

   
   また、

   <天命を知り、使命 (天分) に生きる> ことを、

   孟子は 「良知良能」 と言い、

   王陽明は 「致良知」 としたのです。


   とくに、陽明の 「致良知」 は、孟子の良知良能性を集約し、

   一言で開示した至言と言えるでしょう。


   
   彼は 「四句教」の中で、「良知」 について次のように述べています。


   無善無悪是心之体     善無く悪無きは是れ心の体
   
   有善有悪是意之動     善有り悪有るは是れ意の動
   
   知善知悪是良知       善を知り悪を知るは是れ良知
   
   為善去悪是格物       善を為し悪を去るは是れ格物


   
   いわゆる、善悪を判断し分別するする知恵、

   禅に言う 「差別智」 (妙観察智) であり、

   今日で言う 「判断力」 とも 「決断力」 とも言えるでしょう。


   わたしは、これを 「自律自戒性の目覚め」 と呼び、

   あるいは、「自己制御能力」 (セルフ・コントロール) とも呼んで、

   自らの ≪愛知≫ (菩提心/慈悲) としたのです。