この道は、それぞれの道である。

   決して比較対照されることのない <絶対の道> である。

 
   桜は桜で絶対であり、梅は梅で絶対である。

   この間に優劣はなく、貴賎もなく、差異すらない。

   せいぜい、時節因縁 (時空的状況) の違いがあるばかり。

   
   ここには、比較対照する <尺度 (ゲージ)> そのものがなく、

   したがって、松・竹・梅にも位階制がなく、階級性もない。


   松は梅を見下すことはなく、梅は松をうらやむこともなく、

   竹はその間にあって、上下、前後左右に振り回されることがない。


   ましてや、たんぽぽは地にあって十全であり、

   桜になりたいとも、梅になりたいとも思わない。

   そもそも、此処には <うらやみよう> がなく、

   比較対照の <しよう> がないのであるから。



          *          *          *



   むしろ、こう言うべきだろうか、

   此処では、比較対照 (相対化) することも出来る、

   ・・・と。