≪ 何故、私は真実のみを言って真理を言わないのか ≫
わたしは、これまで真実について多くを語ってきた。
しかし真理については、
あえて避けるように語ることを控えてきた。
まるで、真理を <なきもの> にし、
<ないがしろ> にするかのように ・ ・ ・
南泉和尚、因みに僧問うて云く、
「還 (かえ) って人の与 (た) めに説かざる底の法有りや」。
泉云く、「有り」。
僧云く、「如何なるか是れ人の与めに説かざる底の法」。
泉云く、「不是心、不是仏、不是物」。
(『無門関』 二十七 「不是心佛」 より)
此処には、すでに <足場> が無く、<取っ掛かり> が無い。
そればかりか、
いまだ <意有れば 「自救不了」> とさえ言われる。
さらに言えば、
向かえば、向かう <張本人> だし、
追えば追ったで <他人事> ではない。
≪光 (真理) に向かえば目を潰す≫
―――― 眼にいっぱい見て、見ず。
耳にいっぱい聞いて、聞かず。
口いっぱいに語って、一言も発せず。
瞎漢 (三種の病人)、 これ又何者ぞ!