辻晋堂 (1910~1981) の木彫作品に、

   『詩人 (これ我かまた我に非ざるか)』 (1959) と言うのがある。

   2メートルを越える大振りの作品だが、古材と鉄の帯板を組み合わせた

   極めてとぼけた半抽象的な作品である。

   ご存知のように、辻晋堂は陶彫で名を馳せた著名な作家だが、

   その中にあって、この作品は数ある作品群の中でも異彩を放っている。


   大きさだけではない。

   そもそも、そのタイトルからしてとぼけているし、

   いや応なく、その副題の意味に付き合わされる。


   ≪是れ我か、また我に非ざるか≫

 
   これは元々、『寒山詩』 の一節で、

   事実、晋堂は 「寒山拾得」 に連なる多くの作品を残しており、

   分けてもこの作品は、彼、晋堂の 「根本命題」 であり、

   彼自身の 「現成公案」 であり、 「自画像」 とも、

   「自刻像」 とも目される作品である。

   
   ( ・・・画像をお見せできないのが残念です。 )



          
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