書庫: 龍のすみか 所収
  


   寒露も過ぎ、一段と秋が深まったようだ。

   庭の柿も朱に色付き、栗もイガをはじく。

   一枚、また一枚と葉を落とし始める。



   ≪従来不失≫


   この論考も、

   何時までもダラダラと続けている訳には行かぬ。

   すでに、十二分に過ぎている。

   
   何処で 「卒業」 するのか。

   これこそ、それぞれに課せられた課題だ。



   如何なるか 「従来不失の処」

   ――― 問処、是なし。

   
   追尋、未だ止まざるが故に、

   従来不失の当処 (落処/脱落底) を見失う。


   <親切ならんと欲せば、問を将ち来たって問うこと莫れ>

   と・・・。


        (『碧巌録』 第一五則 「雲門倒一説」 より)