書庫: 龍のすみか 所収
   


   ≪力の不思議≫

   ――― 場の力の構造的位階性


   
   場が <力の場> である事は、誰にも疑えぬ事実だろう。

   でなけりゃ、立つことも座ることも出来やしないし、

   歩くことさえ不可能だろう。


   だが残念なことに、場が <力の場> だと分っていても、

   それを見た者も居なければ、把握した者も居ないのである。

   日々、場の力を用いて生きているにも拘わらず、

   つまり、場の力の可能性の中を生きているにも拘わらず、

   誰一人、これを見た者も把握した者も居ないのである。


   これが、

   <場の力は用いる事は出来ても把握することは出来ない>

   と言われる所以であり、

   その 「不可視性」 であり、「不可得性」 であり、

   把持把得 (所得) の 「絶対不可能性」 である。


   
   握り締めた拳から、場の力がこぼれ落ちる。

   
   まるで、 「一握の砂」 のように ・・・