書庫: 夏休み中の寸言居士 所収
   


   ≪鳴き初め?≫ 


   一日中、ラジオを点けっぱなしで高校野球を聞いている。

   切迫した場面になると、テレビにかじりつく。

   ( 今年は、これに夜のオリンピックが加わる。)

   ステテコ親爺の相も変らぬ夏の風物詩だ。


   そんな中、つくつく法師の鳴き初めを聞いた。

   昨日までの油蝉の大合唱が、いつの間にか、

   つくつく法師に替わっている。

  
   鳴き初めと言うのは、わりと耳にするが、

   鳴き納めと言うのは、どれがそれだったのか

   定かではない。

   
   (彼らにとっては、その都度その都度の鳴き初めが

   今生限りの鳴き納めなのかも知れない。)

   
   見れば辺りに蝉のムクロがいくつも転がっている。

   一つずつ拾って松の根元に置いた。

   暑い最中にも、季節は確実に移っている。

   
   
   甲子園に秋あかねの飛ぶ日も近いかも知れない。